設備検査の実施
アルファシステムでは非破壊検査とそれに伴うデータの作成・管理を行っております。
非破壊検査(NDI=Non Destructive Inspection)とは、簡単に言えば「物を壊さずに行う検査」のことです。 定義は、材料・部品・構造物などの種類のいかんにかかわらず、対象物を傷つけたり、分解したり、破壊したりせずに欠陥の有無や状態、内部構造などを知る為に行う試験によって得るデータを元に、正常か否か等の判定を行うまでの検査ということになります。 |
対象物は例えば、石油タンクや配管、工場内にある様々な設備装置等です。 試験方法は数種類あり、検出すべき欠陥の位置、形状、大きさ、対象物の構造、材質などにより使い分けられます。 |
非破壊検査の方法について
超音波探傷試験(UT=Ultrasonic Testing)
名前の通り、”超音波”を利用して試験を行います。超音波は、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波の事です。
この超音波は、主に次のような特性を持っています。
■金属等の物体中を伝達しやすく、ディテールのはっきりしたビーム状の音波を一定方向だけに伝達する。
■物体中を伝達している超音波が物体の端に当たったり、材質の異なる境界部に当たった時、反射する。
上記の特性を利用して、物体内部のキズや小さな空洞がないかを調べます。物体から反射されて戻ってきた超音波をエコーと呼び、これを機械的に「時間」として読み取り「時間」を「距離」に換算して、物質の厚みや、内部の欠陥の位置を割り出す事が出来ます。
浸透探傷試験(PT=Liquid Penetrant Testing)
表面上に存在するキズや凹みを検出できる検査で、”カラーチェック”とも呼ばれます。
次の手順で検査を進行します。
この試験は、”毛細管現象”というものを利用します。
毛細管現象とは、液体の中に細いガラス管を立てると、液はガラス管内を上昇し、管の内部の水面と下の水面との間に高さの差がでる現象のことです。現像処理を行う際に使用する現像剤は、無数の隙間がある微細な粒子でありその粒子間による毛細管現象を引き起こさせ、割れ目内に染み込んだ浸透液を吸い上げるのです。
磁粉探傷試験(MT=Magnetic Particle Testing)
この検査は、磁気の性質を利用した検査方法です。
磁気を利用するという事は、対象物は強磁性体(磁石にくっつくもの)に限定されます。表面及び表面直下の欠陥を検出できます。
強磁性体を磁化した場合、表層部に磁束を妨げる欠陥が存在すると、そこから外部空間に磁束が漏れます(漏洩磁束) 。 [下図A参照]
そこに磁粉と呼ばれる強磁性体の微粒子を適用すると、漏洩磁束によって磁粉が吸着し、磁粉模様を形成することにより、欠陥を検出します。
[下図B参照]